アフリカン・ブラックウッド
Dalbergia melanoxylon
(広葉樹林)
樹木  アフリカン・ブラックウッドは、その黒い色調のため、Dalbergia属(またはシタン類)のなかでは一風変っている。
    アフリカの熱帯に広く分布するが、市場に出される木材は主にタンザニアとモザンビーク産である。小型の樹木で
    樹形も悪いことが多く、
短材の形で輸出される。

木材  色調は濃褐色で黒に近く、肌目は精で均一、木理は通直ないし不規則である。きわめて重硬で、ほんのわずかリグ
    ナム・バイタより軽く、リグナム・バイタと同じくわずかに油のような手触りがある。

加工性 割れを避けるためには、細心の注意をもって乾燥させなければならない。一度乾燥すれば吸湿性が非常に低いので、
    寸度の変化もきわめて少ない。強度的性質は、脆いという傾向を別にすれば、ほとんど問題はない。製材は困難で
    鋸の歯をすぐ鈍らせ、
また硬くて脆いので、機械加工では注意が要る。

用途  アフリン・ブラックウッドの主な用途は、伝統的に用いられてきたコカスウッドが入手できなくなった現在では、
    オーボエ、フルート、クラリネット、バグパイプの主唱管などの木管楽器類である。これは、ブラックウッドを
    使うとよい音色が得られるうえ、その加工性、すなわち旋作可能でなめらかに仕上ること、金属製のキイの支柱を
    ねじ込めるだけの十分な硬さをもつこと、さらに寸度の変化が非常に少ないことなどが、楽器にときに適している
    からである。ブラックウッドは旋作品、とくにアフリカ産の木彫りにも用いられている。
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