アフゼリア
Afzelia spp.
(広葉樹林)
樹木  アフゼリア(アパまたはドゥシェとも呼ばれる)は、アフリカ熱帯圏、西はシエラレオネから東はスーダン、南は
    ローデシアやモザンビークにかけて分布する。5樹種あるが、市場材としてはA.bipindensisとA.pachylobaがほとん
    どで、主にナイジェリアおよびカメルーンから出荷されている。高層な森林中には、直径が1mかそれ以上の丸太が
    とれる、樹高30m級のものもあるかもしれない。

木材  特徴のある木材で、色は鮮やかなマホガニーレッド、肌目はかなり粗である。木理は最高級の木材では通直だが、
    不規則なこともある。黄ないし白色の沈着物がよく見られるが、これらが湿気の多い場所では木材を変色させる原因
    

なることも考えられる。重硬な木材で、ナラより10〜15%ほど重い。

加工性 アフゼリアはきわめて強く、かつ著しい耐久性と安全性を備える。乾燥は遅いが、ほとんど収縮せず、一度乾燥すれば
    安定性はチークより優る。概してナラよりも強いので加工はずっと難しく、木材の中にチョーク状の沈着物があると、
    刃物を鈍らせてしまう。耐朽性はきわめて高く、白蟻には抵抗性がある。

用途  高級材で、見栄えのよさと維持の容易さとが要求される建具類、すなわち豪奢な建物の窓枠、ドアやドア回りに用い
    られる。ベンチやカウンターの天板にもよく、また公私の建物の高級床板にもなる。アフゼリアはその耐酸性でも知られ、
    化学工場では化学薬品用の液槽やプレスに用いられている。
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