アメリカン・レッド・ガム
モミジバフウ

Liquidambar styraciflua
(広葉樹林)
樹木  サップ・ガム(またはスイート・ガム)とも呼ばれるアメリカン・レッド・ガムは、アメリカの東部と南部に産し、
    さらにその分布は、メキシコを経て中央アメリカに及ぶ。中型ないし大型の樹木で、樹高は30〜45mに達する。
    
最も大きくなるのは、洪水が起きやすい低地に生育しているものである。バニラの香りがする樹脂とかガム、
    ストラックスが採取され、かつては医薬品や香水に用いられていた。

木材  レッド・ガムという名は、光沢のある赤褐色の心材のことを指している。心材はしばしば濃色の条をもち、
    サップ・ガムと呼ばれる淡色で幅の広い辺材部分と明瞭に区別される。肌目は精、均一で、木理は不規則ないし交錯し、
    これが柾目面で縞状のもくを形づくる。重さは中庸で、ソフト・メープル類のほぼ同じである。

加工性 交錯木理があるので狂いが出やすく、乾燥は難しい。やや硬く、強度的性質はよい。とくに衝撃には強く、
    また剛性もある。加工はかなり容易だが、仕上げの際は交錯木理があるので注意を要する。耐朽性は低い。

用途  レッド・ガムはもっぱらアメリカ国内において広く用いられているが、かつては海外市場でも重要な木材であった。
    第二次世界大戦前にはイギリスでもよく知られていて、心材はサテン・ウォルナット、辺材はハーゼル・パインと
    呼ばれていた。今日アメリカでは、家具、内装用の指物、乾燥物用の樽、箱、梱包、パレットなどに用いられている。
    合板およびパルプにも使用される。
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