ブラック・バット
Eucalyptus pilularis
(広葉樹林)
樹木  ブラックバットはオーストラリア東部産のユーカリ材中、最も重要なものの一つで、とくにニュー・サウス・ウェー
    ルズとクィーンズランドの諸地方に豊富に見られる。大木で樹高は50mに達し、直径1mほどの丸太を生産する。
    この名前は、山火事で炭化した基部の繊維質の樹皮の状態に由来する、といわれる。

木材  色調は淡褐色、肌目はやや粗、木理は通直ないし交錯し、材面は装飾性に乏しい。キノ・ベイン(ガム・ベイン)ある
    ことも、よくこの木材の特徴となる。重い(ナラより約20%重い)が、他の多くのユーカリほどではない。

加工性 ブラックバットは、とくに表面割れで品質を落とさないように乾燥するのは難しい。また、この木材は表面の落込みも
    生じやすいが、この欠点は乾燥後に矯正できる。強度、靱性、剛性ともに高い木材で、硬いけれども製材は可能で、
    手・機械加工のいずれでも美しい仕上げが容易にえられるが、先に穴をあけておかないと釘打ちはできない。
    腐朽菌に対する抵抗性は高い。

用途  ブラックバットはオーストラリアでは大量に入手でき、広範囲に用いられているが、この国以外ではあまりみられない。
    オーストラリアでは構造材として、とくに住宅建築の枠組に用いられ、羽目板や床板、およびそのたの建築的用途にも
    使用されている。電柱や鉄道の枕木にも用いられており、とくに柵の支柱や横木として、農場では有用な木材である。
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