セイバ
Ceiba pentandra
(広葉樹林)
樹木  セイバは、その種子を覆う綿状繊維(カポック)から呼び名が生まれた、シルク・コットン・ツリーの木材である。
    この綿状繊維はマットレスの詰め物や絶縁用に用いられる。他にもシルク・コットン・と呼ばれるものがいくつか
    あるが、それらはBombax属の樹種で、木材はセイバに似たものもある。セイバは熱帯地方に広く分布し、樹高60m、
    幹の直径は2mに及ぶ巨木となり、西アフリカの森林中どこにでも見られる。

木材  淡色で、軽軟。オベチェより軽く、バルサより重い。しかしオベチェやバルサなどの材面がもつ光沢には欠ける。
    その原因として、これら二つの木材に比し肌目が粗であること、材面をよい状態に保ち、菌の害を受けないように
    しておくのが困難であること、などが挙げられる。

加工性 セイバは軽軟ではあるが、取扱いが難しい。伐採直後、木材は水分を多量に含んでおり、手早く乾燥させないと菌の
    攻撃目標になるが、乾燥は早く、容易である。軽軟な木材なので、鋸の歯や切削刃物をよく研いでおかないと、平滑な
    仕上げ面は期待できない。ロータリー切削で上質の単板ができる。この木材は比重から予想されるとおり強度は低い。
    また釘打ちは容易でも釘の保持はよくない。

用途  セイバは主に単板として、とくに表板に他の樹種の単板を張った合板の芯に用いられる。ブロックボードは軽いので、
    絶縁材として好適である。強度をそれほど必要としない梱包にも用いられている。
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