ココボロ
Dalbergia retusa
(広葉樹林)
樹木  ココボロはローズウッドとは近縁だが、色調はまったく異なる。メキシコからパナマにかけての中米大平洋沿岸に
    生育するが、市場に出されるものは小さな短材の形で、主にコスタリカとニカラグアから輸出されている。

木材  伐採したてはにじのような多彩な色をもつが、外気にさらしておくとその鮮やかさは失われて濃橙赤色になり、
    ときにはさらに濃い縞か斑をもつ。肌目は中庸で、木理は丸太の形により通直にも不規則にもなる。非常に重く、
    ローズウッドの重硬なものに匹敵する。

加工性 ココボロは、ふつう小さな寸法にして乾燥させる。乾燥したものは非常に安定性がある。重硬な割には加工はそれ
    ほど困難でなく、旋作性のよいことでも注目されている。機械加工の際、含んでいる油からの芳香が出てくるが、
    この油は仕上げ面をよくするのには役立つが、接着をしにくくする。加工の最中に微細な粉が舞い、皮膚炎を起こ
    させたり、皮膚を橙色に染めたりする。

用途  ココボロは以前、ナイフの柄の材料として、とくにアメリカでは重要であった。それは人目を惹く材面の美しさや、
    すばらしい仕上りあ得られるばかりでなく、繰り返し洗っても質が低下することがなかったからである。ヘヤーブラシ
    の背、器具類の柄、チェスの駒、さらには装飾的な旋作品にも広く用いられており、ときには宝石箱やその他小型の
    装飾細工物の象嵌にも見られる。
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