サイプレス
イトスギ

Cupressus spp.
(針葉樹林)
樹木  本物のサイプレスは世界の温帯地方に産する樹木だが、どこでも非常によく見られるわけではなく、天然に生育して
    いるところでも、一般に市場材としての関心は薄い。しかし造林器としては、東アフリカのほかにも、南アフリカ、
    ニュージーランド、オーストラリアなどの地域の導入されている。適地では生長が早く、25〜30年で樹高は20mに
    達し、直径60cmに及ぶ幹をもつようになる。ヨーロピアン・サイプレスは、生産地においてのみ木材としての重要性
    をもつ。市場材としてより関心をもたれているのがレイランド・サイプレスで、これは本物のサイプレスとイエロー・
    シーダーとの雑種である。

木材  淡黄褐色を示し、肌目は精で、木理は通直である。造林木からの木材は一般に生長がよくて、節が多い。また、かなり
    軽く、ヨーロピアン・ホワイトウッド(スプルース)とほぼ同程度の重さである。脂っぽくないが、シーダーに似た
    匂いをもっている。

加工性 乾燥は早く、良好である。やや強く、ホワイトウッドと同程度である。加工は容易で、仕上りもよい。ただし造林木から
    の木材の場合、節や、木理の乱れのために生じる裂けが、問題となることもある。

用途  造林木からの木材は主に生産地で消費されるが、ときに東アフリカから輸出されることもある。かなり若木からとった
    木材は節の多い傾向があり、一般建築、箱、梱包などに用いられる。良質のものは室内および戸外の指物用に使われる。
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