ダークレッド・メランチ
Shorea curtisii セラヤ/
S.negrosensis レッドラワン/
S.polysperma タンギール
などを含むShorea spp.
(広葉樹林)
樹木  赤ないし濃赤色をした中庸の主さのメランチは、淡赤色のライトレッド・メランチに対しダークレッド・メランチと
    呼ばれる。ダークレッド・セラヤおよびレッド・ラワンは同類である。他のメランチ同様、ダークレッド・メランチ
    も数多く樹種の集まりだが、マレーシアでは、S.paucifloraからのものがふつうである。これは非常に大型の樹木で、
    樹高70mに達し、幹の直径は1.5mにもなる。

木材  赤ないし濃赤色を示し、特徴的な木材で、しばしば、はっきりした白色のダマール、つまり樹脂の条をもつ。肌目は
    中庸ないし粗で、木理は浅く交錯する。ライトレッド・メランチより重く、より苛酷に使用される用途に用いられる。
    比重はさまざまであるが、平均すると西アフリカ産のユティルとほぼ同じである。

加工性 ライトレッド・メランチよりも乾燥は遅く、しかも厚い材の場合、割裂を生じやすい。ただし、一度乾燥すれば、利用
    の際は安定している。強度的性質に優れ、ユティルに匹敵するが、木理はより通直であるためユティルよりも容易に
    割裂する。製材しやすく、加工も良好で仕上り面もよい。淡色のライトレッド・メランチより耐朽性は高い。

用途  重要な市場材で、マレーシアからはヨーロッパおよびその他の地域に、フィリピンからはフィリピン・マホガニーの名で
    アメリカに輸出されている。温帯地方での屋外用を含む指物、車輌、羽目板、パネル、床板などの用途があり、とくに
    アメリカではボートの建造に用いられている。
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