エバーグリーン・オーク〔樫〕
Quercus spp.
(広葉樹林)
樹木  中米および東南アジアの温帯の国々や若干の熱帯の国々に多数生育しているオークは、常緑性で特徴的な木材を産し、
    カシと呼ばれている。ヨーロッパでよく見られるカシには、ホルム・オーク、あるいはホリー・オークと呼ばれる
    ものと、コルクがとれるため、樹皮のほうが大切なコルク・オーク(コルクガシ)がある。コルク・オークは軽い樹皮
    が厚い層を成しており、それを樹木をいためぬよう8ないし10年の間隔で剥ぎ取り、コルクにする。

木材  カシは、ホワイト・オークより堅く、また重い。通常、淡褐色ないし褐色を示す。さらに、大型の放射組織をもち、
    最良のホワイト・オークほど装飾的ではないにしても、柾目面に顕著なシルバーグレインを形成する。環孔材ではない
    ということで、一般的な市場材であるナラとも異なっており、したがって肌目はナラよりも精かつ均一で、年輪の
    模様は、あったとしてもあまり明瞭ではない。

加工性 狂ったり割れたりしやすいので乾燥は難しい。強く、耐久性は高いが、重硬なため製材や機械加工は容易でない。
    仕上げの際、よい材面を得ることがきわめて困難で、木理が不規則なものはなおさらである。

用途  ホワイト・オークよりも商品価値は低く、加工利用もはるかに困難で、輸出されることはめったにない。生産地で、
    粗仕上げのまま杭や柵などの構造材に、またときに農器具に用いられている。多くの国々では主に燃料として利用されている。
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