グリーンハート
Ocotea rodiaei
(広葉樹林)
樹木  グリーンハートはギアナの傑作した市場材であり、中型ないし大型の樹木で、樹高は40mに達し、長い通直な円筒形
    の幹をもち、直径は1mに及ぶ。

木材  木材の色は淡黄緑色ないし濃いオリーブ・ブラウンで、ときに濃色の、ほぼ黒色に近い条をもっている。肌目は精、
    均一で、木理は通直ないし交錯している。非常に重い木材で、ナラより約50%重く、乾燥しても水に浮かない。

加工性 乾燥はきわめて遅く、とくに寸法が厚い場合、割れたり、裂けたりしやすい。その比重を考慮しても異例に強い木材で、
    曲げ、圧縮、剛性などの機械加工は難しい。この木材のささくれは、化膿性の傷をつくることで知られている。耐朽性
    と海虫に対する抵抗性がきわめて高い。

用途  グリーンハートは通直な円筒形の幹をもつので、長さが20mぐらいまで、断面が600×600mmぐらいまでの大きな木材
    が得られる。通常はそのまま角材が製材品として輸出される。非常に高い強度と耐久性や耐摩耗性が相まって、海岸での
    防護用、杭、閘門のゲートなどに、大きな寸法のまま用いられている。製材としては、埠頭や岸壁や突堤などの横木、
    腹起し、デッキに使われている。またグリーンハートは、エンジンの支持材、苛酷な使用条件の床、化学工場における
    バット類やフィルターレスなどとしても用いられる。靱性に富む魚釣り用の竿をつくることもできる。
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