ヒバ
アスナロ

Thujopsis dolabrata
☆国産材/ヒノキ科 (針葉樹林)
分布・産地 変種(ヒノキアスナロ:T.dolabratavar.hondai)とともにヒバという名前で取り扱うことが多い。北海道
      (渡島半島)から本州の関東北部まで分布するものをヒノキアスナロ、本州のより南の高い山地に分布し、
      また、四国、九州にも見られるものをアスナロと呼ぶ。アスナロは木曽五木の一つとして有名で、ヒノキ
      アスナロは日本三大美林の一つである青森のヒバ林でよく知られている。東北から能登半島へ移入された
      ヒノキアスナロは、アテと呼ばれ、輪島塗の素地としてよく知られている。ヒバは最近では東京辺でも
      名前を聞くようになったが、どちらかというと生産地周辺で知られている樹種といえる。

木材    心材と辺材の色の差はあまりなく、木材は淡黄色で、早材から晩材への移行は緩やかであり、そのため、
      年輪はとくにはっきりとしているとはいえない。木材はやや軽軟で、気乾比重は0.30〜0.52。この木材には
      強烈な特徴的な匂い(多分芳香とはいえない)がある。また、心材部分の保存性が高く、よく水湿に耐える。
      ヒバでは話題性のあるのは、抗菌性のあるヒノキチオールが存在することである。日本産の樹種ではヒノキ
      チオールは、ヒバに含まれており、ヒノキにはない。もともとはタイワンヒノキで発見されたものである。

用途    建築(平泉の中尊寺はヒバを使っていることで知られている)、器具、土木材などがあるが、耐朽性が高い
      ことを利用しての土台材は定評がある。上述の輪島塗の素地も忘れてはならない。
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