イジグボ
Terminalia ivorensis
(広葉樹林)
樹木  イジグボは、ナイジェリア、ガーナ、コートジボアールから輸出される西アフリカ産材木である。大木になる樹種で、
    大きな丸太になると中央に脆心材があることが多いが、樹高は40mに達し、幹の直径も1mないしそれ以上に及ぶ。
    中程度の大きさの丸太から良質の木材が得られる。

木材  材面はナラの板目面にやや近い。環孔材ではないが、はっきりした年輪様の模様があり、黄褐色をしているのもナラに
    似ている。柾目面が出るように製材したものにはナラのもつ著しい放射組織の模様は見られないが、木理が交錯して
    いると、縞模様のもくが認められる。比重は平均してマホガニーとほぼ同じで、ナラより約25%軽いが、一定ではなく、
    桃色を帯びたものにきわめて軽いものが見られる。

加工性 乾燥は非常に早く、しかも良好で、一度乾燥すれば、利用の際にすばらしい安定性を示すことで定評がある。強さは
    中庸で、一般にマホガニーと同程度だが、かなり脆いものもある。製材は容易で、機械加工の仕上りもよい。
    耐朽性は高く、白蟻に対する抵抗性もかなりある。

用途  とくに強くはないが耐久性と安定性に富む点で魅力的な木材だが、ときに木材を除く必要がある。屋内外用とも指物類
    には最適であるが、湿った場所では鉄を腐蝕させるので、非鉄金属の金物を使う必要がある。モールディング、外張板、
    家屋の床板、さらにナラに似た材面を生かして家具にも使われる。湿気のある場所では布を汚染するので、用いないほう
    がよい。
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