インディアン・ローレル
Terminalia spp.
(広葉樹林)
樹木  インドおよびビルマの各地でふつうに見られ、よく知られている樹種だが、今日ではこの両国以外ではほとんど見る
    ことができない。樹木の大きさはさまざまで、生長のよいものは樹高30mに達し、通直で欠点のない直径1mに及ぶ幹
    をもつことがある。

木材  装飾的な木材で、ときに淡褐色であまり模様のないこともあるが、淡褐色から濃褐色まで変化し、ときに灰色を帯びており、
    濃褐色から真黒色の模様をもつときは、そのもくによって好まれている。肌目はやや粗で、木理は通直ないし不規則である。
    比重は高く、ナラより約20%重い。

加工性 乾燥は難しく、ことに材が厚い場合、狂いを生じたり、割れや裂けが出やすい。インディアン・ローレルはナラに匹敵する
    ほど強い木材だが、重硬なために、とくに木理が不規則だっがり交錯している場合、製材、手および機械加工は難しい。
    耐朽性、白蟻に対する抵抗性はともにかなり高いとされている。

用途  インディアン・ローレルは美しい木材で、装飾的な材面のために選ばれたものはとりわけ見事である。インドでは貴重材
    なので、どこでも大量に使われるというわけではない。ウォルナットに幾分似ているところがあり、製材と単板のいずれの
    形でも使われ、家具やキャビネット用に、また、ドアや階段などの高級指物、羽目板にも用いられる。インドでは、建築、
    有軌、無軌の車輌、器具の柄など多くの用途に用いられる。
back