インディアン・シルバーグレイ・ウッド
Terminalia bialata
(広葉樹林)
樹木  アンダマン諸島に産する木材で、樹高は50mに達し、幹の直径が1mないしそれ以上に及ぶ樹木から得られる。
    ときに木材の色が全面、均一な淡黄色を示すものがあり、これはホワイト・チューグラムと呼ばれる。
    またきわめて稀に、色のついた心材をもつものがあり、これはシルバーグレイ・ウッドと呼ばれている。

木材  シルバーグレイ・ウッドは淡褐色ないし褐色を示し、ヨーロピアン・ウォルナットのいずれかに似て、濃灰色
    から黒色に近い条をもっている。肌目は中庸、木理は一般に通直で、比重もウォルナットとほぼ同じである。
    ホワイト・チューグラムは色が異なるだけで、木理、肌目、比重はよく似ている。

加工性 乾燥は容易でしかも良好である。また利用の際は安定していることで定評がある。強度的性質に優れ、ブナの
    それに近い。製材は容易、加工は良好で、仕上りもよいといわれる。耐朽性はかなりあるが、白蟻には弱いと
    されている。ホワイト・チューグラムは乾燥、強度、加工的性質では変りないが、腐朽しやすい条件下で耐久性に劣る。

用途  シルバーグレイ・ウッドは、かつては相当な量が使用されたが、今日では時折、それも単板の形で使われるだけ
    である。以前は、高級指物、家具、キャビネット、公共建築の装飾用パネル、鉄道の客車、さらには外洋航路船に
    用いられていた。ホワイト・チューグラムは、インドでは、家具、床板、一般建築、ボートの建造、茶箱などに
    使われている。
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