ジャラ
Eucalyptus marginata
(広葉樹林)
樹木  ジャラは限られた地域にのみ分布するオーストラリア産の樹種で、オーストラリア西部のパース南方の海岸地方に
    生育する。しかしそこでは、ジャラはどのオーストラリア産の樹木よりも多く伐採されるほど、ごくふつうに見られる。
    ユーカリとしては樹高45mという中型の樹木で、直径1.5mの幹をもっている。

木材  肌目は粗、色調は赤褐色ないし濃赤褐色で、ときには濃色の斑をもつ。材面は特徴はあるが、とくに装飾的とはいえ
    ない。しかし、ときには交錯木理と波状木理が相まって美しいもくができ、またキノ・ベイン(ガム・ベイン)がある
    ため、材面が損なわれることもある。高比重の木材で、木材によってやや差はあるが、だいたいナラより約15%重い。

加工性 ジャラは大きな寸法で使用するときは天然乾燥をし、小寸法のものは天然乾燥した後、人工乾燥する。ナラよりも強く、
    耐久性も高く、白蟻や海虫にも抵抗力が強い。硬い割には製材、機械加工とも、それほど困難ではない。

用途  ジャラは強くて耐久性が高く、大きな寸法のものも入手可能なので、オーストラリア国内で用いられるほか世界各国へ
    輸出されて、杭や枠組、デッキ用材、ドックや港湾建設、架構用に用いられている。船の建造にも用いられるが、多くの
    国では、たとえばロンドンの地下鉄のように、レールの枕木にも使用される。工場のような非常に苛酷な条件さえなけれ
    ば床板に用いることができ、またオーストラリアでは室内・外の高級指物に用いられている。
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