カバ
バーチ〔樺〕

Betula spp.
(広葉樹林)
樹木  カバは北半球産の樹木で、カナだ(とくにイエロー・バーチB.alleghaniensis)とヨーロッパ(B.pendulaと
    B.pubescens)ではとくに重要である。よく知られている樹木だが、一般にあまり大木にはならない。ヨーロッパでは
    北欧諸国に生育するものが最も優れ、通直な円筒形の幹をもつ。カバはロータリー切削がよくできるので、フィンラ
    ンドやソヴィエトの合板工業に高品質の丸太を供給している。

木材  肌目が精で色調はほぼ白に近い、イエロー・バーチは褐色がかった心材をもつ。一般に木理は通直で、とくにもくは
    もたないが、フレーム・バーチやマスール・バーチなど、丸太によってはもくをもつものもある。かなり重硬な木材で、
    イエロー・バーチはナラとほぼ同じ重さで、ヨーロッパのカバはそれよりわずかに軽い。

加工性 カバは靱性の点ではトネリコに比べても劣らず、他の強度的性質でも優れている。手あるいは機械加工、旋作ともに良好
    で、ロータリー切削によって優れた単板ができる。腐朽しやすい条件のもとでは耐久性はない。

用途  カバは製材としてよりも合板としてのほうがなじみ深い。その強度的性質のゆえに優れた構造用合板になり、第二次大戦
    におけるイギリス空軍の戦闘偵察機「モスキート」はカバの合板でつくられていた。今日、合板は建物の木質部材や床板
    に用いられている。製材は家具、とくに椅子のフレーム、ブラシの背や柄に用いられる。パルプは筆記用紙の原料として
    重要である。
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