カプール
カポール

Dryobalanops spp.
(広葉樹林)
樹木  カプールは東南アジア産の木材で、市場材は西マレーシアから得られるが、スマトラやボルネオでも重要な木材である。
    非常に樹高が高く、60mにまで達し、まっすぐで長い円筒形の幹をもつ。カプールはときにはボルネオ・カンファー
    ウッドとも呼ばれるが、これは加工の際、とくに著しく芳香を放つためである。

木材  色調はかなり淡い黄褐色ないし赤褐色で、材質はクルインにやや似ているが、クルインよりも材質が均一であり、肌目も
    精で、脂っぽくない。その材面は、機械加工されるまではほとんど見えない数多くの非常に小さい虫食いの穴によって
    損なわれていることが多い。比重はクルインとほぼ同じで、ナラより少しだけ重い。

加工性 カプールは強い木材である。虫害を受けやすいが、一度乾燥すれば被害も収まり、利用上の価値を損なわない。クルイン
    より利用時の安定はよく、耐久性も高い。しかしクルインと同じくシリカを含むので、切削刃物を鈍らせる。

用途  カプールは装飾的ではないが、強く、安定性があり、温帯地方で使用すれば耐久性が高い。クルインほどの人気はないに
    せよ、加工性が優れているので、クルインやナラが用いられる多くの用途に適している。たとえば窓枠や敷居といった
    外回りの指物、外張り、門や支柱などの地所囲い、さらには農家の建物にも非常に適している。大きな寸法のものは、
    杭や柱その他の海中の構築材に用いられる。
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