クルイン
ガージュン
ヤン
Dipterocarpus spp.
(広葉樹林)
樹木  東南アジアで最も重要な木材の一つであるDipterocarpusは、それを産する国ごとにそれぞれ固有の名前インドと
    ビルマではガージュン、タイではヤン、マレーシアとインドネシアではクルイン、さらにフィリピンではアピトンを
    もっている。市場で取扱われているものは、材面は似ていても材質は少しずつ異なる、多くの樹種の木材を含む。
    ビルマやタイ、フィリピンのように、樹種の少ない国々に産する木材は、多数の樹種を産する国々からのものに比べ、
    材質はより均一である。

木材  樹種によって色調は褐色から濃褐色まで幅があり、一般に木理は通直、肌目は粗で、材面は無地に近い。いくつかの
    樹種では、材面に粘着性のある脂が滲みだしている。比重も一定ではないが、平均値ではナラよりわずか重い。

加工性 乾燥は遅い。しかし一度乾燥すると強度は高く、菌にはかなりの抵抗性を示す。切削刃物を鈍らせ、脂っぽいことも
    多いので、加工が困難なこともある。使用時の安定性はそれほどよくない。

用途  市場供給量の豊富さ、その材質と値段の安さのために、この類の木材は多くの国々で用いられてきた。ナラのような高い
    耐久性には欠けるが、温帯の国々においては戸外での多くの用途に適し、建築では外張りや土台、敷居に、運搬車や
    貨車の建造に、ボードに、さらに電柱の腕木に用いられる。これらの木材は脂を分泌しがちで、床板として使用する
    にはこれが障害になる。アジアでは合板にも用いられている。
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