リグナム・バイタ
Guaiacum pffcinale
(広葉樹林)
樹木  リグナム・バイタとは生命の木という意味で、その名の由来は、16世紀に初めて発見された頃、その樹脂が万病に
    効くと信じられていたからである。今日では、特徴のあるその木材(市場材では最も重い)に関心が集まっている。
    樹木は小型で、直径がふつう75〜300mm、長さがせいぜい3mまでの、短い丸太で取引されている。最良のリグナム
    ・バイタは西インド諸島や、コロンビア、ベネズエラの海岸地域に産するが、中米からも輸出されている。

木材  きわめて独特な緑黒色を帯びている。樹脂の含有量が高く、非常に重い木材である。ナラと比べて約70〜80%重い。
    肌目は精で、木理は密に交錯している。

加工性 リグナム・バイタは非常に強くて、しかも硬い。摩耗に対する抵抗性もきわめて高い。乾燥は困難で、加工も難しいが、
    旋作性は優れている耐久性も非常に高い。

用途  工業的な利用の顕著な例は、船のプロペラの軸の軸受け表面に使われることである。横断面の出たブロックを軸に合う
    よう加工して、軸をぴったり包むようにして軸管の中にはめ込む。重さ、精な肌目、自己潤滑作用(木材自身の高樹脂
    含有量による)などが相まって、リグナム・バイタをこの用途にふさわしいものにしている。古くからある用途として
    は、ボウリングのボールがあり、かつてはほとんどのボールがリグナム・バイタ製であった。今日では、十分な大きさ
    のリグナム・バイタが求めにくいので、他の材料が用いられるようになっている。
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