マングローブ
Rhizophora spp.
(広葉樹林)
樹木  マングローブは、多くの熱帯の国々の海岸沿いに分布している。数多くの属から採取されるが、なかでも最も重要と
    されるのはRhizophora属のもので、そのうち3樹種が熱帯全域に生育している。この属が、ふつうはもっと小さい。
    樹木はしば多くの枝をつけており、高足状の根によって支えられている。

木材  はなはだ重く、かつ硬い木材である。肌目はやや精であるが、一般にもくをもたない。色調は淡い赤褐色ないし濃い
    赤褐色を呈する。木理は通直ないし不規則で、ときにはらせん木理を有することがある。比重はグリーンハートの
    それにやや低いとされている。

加工性 かなり収縮したり、木口割れ、表面割れが出やすいため、乾燥が難しい木材である。強度は高く、衝撃に対する抵抗
    を除けば、ナラより約50%は強い。製材、加工ともに容易ではないが、仕上り面はよい。耐朽性はやや高い。

用途  産出する国々で地方的に用いられる場合、とりわけ貴重な木材である。樹皮はタンニンの原料となり、木材は家屋の
    支柱や、ことに薪および木炭の製造に用いられている。日本へは、東南アジア各地からパルプ製造のための木材チップ
    の形で輸出されている。西アフリカでは、坑木あるいはパームオイルを入れる樽の板に使われてきた。摩耗に強く、
    床板には最適とされる。強度が著しく高いので、器具の柄にも向いているといわれる。
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