メンクラン
Heritiera spp.
(広葉樹林)
樹木  メンクランというのは、東南アジア全域にわたって生産され、6樹種からとられる木材に対してつけられたマレー
    語名である。木材の外観は産地によって少しずつ異なるが、これは樹種の違いによるものである。樹木は中型ないし
    大型で、樹幹の形はよい。

木材  メンクランは光沢のあるマホガニー色で、桃色から赤褐色までさまざまである。肌目はやや粗で、木理は交錯する。
    この交錯木理のため、柾目面には縞状のもくが現れる。かなり大きい放射組織があるので、正確に挽いた柾目には、
    はっきりとした模様が出る。比重はかなり高く、マホガニーよりも重い。ユティルや西アフリカ産のニアンゴンと
    ほぼ同じ重さで、外観も非常によく似ている。

加工性 乾燥は早く、良好である。乾燥すれば、利用の際は安定している。かなり強い木材で、ユティルやニアンゴンのような
    西アフリカ色を帯びた木材よりも強いほどである。しかし、製材や機械加工はより難しく、とくに乾燥したときは、
    シリカが含まれているので困難である。美しいロータリー単板が切削できる。耐朽性はやや高い。

用途  マレーシアではメンクランの伐採量が次第に増えつつあり、初めは製材にされていたが、鋸の刃摩耗しやすいので、
    単板にされるようになり、現在では最もよく知られたマレー産の合板の一つとなっている。製材としては、木工品、
    指物、トラックの車体の枠、コンテナーの床としては、構造用など広い用途に、それぞれ用いられている。
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