メルバウ
大平洋鉄木

Intsia spp.
(広葉樹林)
樹木  メルバウは、東南アジアの大陸部、東インド諸島、南西大平洋諸島などに産する木材につけられたマレー語名である。
    木材はIntsia属の2樹種から得られる。樹幹の形はいろいろだが、しばしば直径1〜1.5mの大きな丸太が採取できる
    ようなものもある。メルバウはアフリカ産のアフゼリアと同等のもので、両者は長いこと同じ属に含まれていた。

木材  メルバウは濃色でマホガニー色を示し、材面は、特別なもくはもたないが美しく、アフゼリアと似ている。肌目は粗で、
    木理は通直ないし、ふつうは交錯している。交錯木理のため、柾目面に縞模様が認められる。アフゼリアよりやや重く、
    ナラより15〜20%ほど重い。導管には黄色い物質が詰まっていて、これは染料をつくるのに用いられる。

加工性 乾燥は遅いが、ほとんど欠点は生じない。乾燥すれば、利用の際は安定している。強い木材だが、靱性はとくに高くは
    なく、脆い傾向がある。製材や機械加工はかなり難しいが、注意して加工すれば、仕上り面は良好である。耐朽性およ
    び白蟻に対する抵抗性はきわめて高い。

用途  アフゼリアの供給を補うための木材として、市場での関心を惹いている。とくにオランダでは人気がある。室内および
    室外用の高級指物に用いられる。しかし、雨にさらされると、赤い色が流れ落ちて、建物の石造部分を汚すので、木材を
    よく保護することが必要である。構造用材として用いられ、また美しい床板となるが、苛酷に使われる床板には適さない。
    良質のものは装飾用パネルにもなる。
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