ムニンガ
Pterocarpus angolensis
(広葉樹林)
樹木  ムニンガは東アフリカ産の木材で、タンザニアから南に向って南アフリカ共和国の北部までの間に産する。オープン
    フォレスト(疎林)に生育する小型ないし中型の樹木で、幹の形は一様ではない。植物学的にはパドウク、すなわち
    Pterocarpus属の一種だが、古くから区別されて、ムニンガの名で呼ばれている。

木材  ムニンガの色調は金褐色から濃褐色まで変化に富み、ときに赤色を帯び、不規則な濃色の条をもつことがある。美しい
    材面が白色のしみで汚されることもある。肌目は中庸で、木理は丸太の形によって通直なものから不規則なものまで
    ある。比重は生長によって異なるが、最も軽いものでマホガニーと同程度、一般にはウォルナットと同様の重さである。

加工性 乾燥は遅いが良好で、収縮は非常に少なく、狂いはほとんどない。乾燥すれば、きわめて安定しており、この点で他の
    多くの市場材より優れている。強さは比重によって異なるが、一般に衝撃に対する抵抗性が低く、剛性はとくに低い値
    を示す。製材は容易、加工は良好で、仕上りもよい。耐朽性と白蟻に対する抵抗性は非常に高い。

用途  ムニンガは優れた加工性をもつ美しい木材であり、高級指物および、単板や製材の形で、家具やパネルに用いられている。
    家屋用の装飾的な床板用材として、とくに床下暖房設備をもつような家屋に適している。南アフリカでは高く評価されて
    いる木材である。
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