ニセアカシア
ロビニア

Robinia pseudoacacia
(広葉樹林)
樹木  アメリカではブラック・ロウカストと呼ばれているニセアカシアは、アメリカ産だが、現在ではヨーロッパ諸国や
    アジア・アフリカの各地にも生育している。小型ないし中型の樹木で、生育条件により大きさや形が変化する。
    樹高は、例外的に20〜25mまで達することもあるが、ふつうは枝が低いところまであり、もっと小さい。土壌侵蝕
    を防ぐ防風樹として高い評価を受けている。

木材  伐採直後は緑色がかった黄色を示しているが、大気にさらされると濃くなり、金褐色となる。肌目は粗で、はっきり
    した年輪の模様がある。木理は樹幹の形により通直なものと、やや不規則なものがある。比重はやや高く、ナラとほぼ
    同じである。

加工性 乾燥は遅く、しかも狂いが出がちである。しかし一度乾燥すれば強く、靱性ではトネリコに匹敵する。製材は良好で、
    機械加工はやや難しいが、仕上り面は悪くない。耐朽性、白蟻に対する抵抗性はともにある。

用途  イギリスではあまり使用されないが、他のヨーロッパ諸国ではよく用いられており、とくにハンガリーでは広く植栽
    されている。生長が早く、直径の小さい幹でも辺材の幅が狭いので、杭、農業用材として非常に適している。靱性が
    あるため、農器具、車輪のスポーク、梯子の横木などにも用いられる。また、トネリコと同じく、曲げ木用には最適
    である。家具にもときに使用されることがある。
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