オリーブウッド
Olea spp.
(広葉樹林)
樹木  オリーブウッドはオリーブの樹O.europaeaからの木材で、樹木は地中海沿岸諸国で主に食用の果実とオリーブ油を採取
    するために育てられている。他の樹種はアフリカ各地に産する。イースト・アフリカン・オリーブO.hochstetteriおよび
    ロリオンドO.welwitschiiはケニアやタンザニアの重要な木材である。ヨーロッパのオリーブは概しえ小さく、樹形も悪い。
    アフリカの
オリーブは樹高25mに達することもあるが、やはり樹形の悪いものが多い。

木材  オリーブウッドの材面は美しい。淡褐色ないし褐色を帯び、濃い灰色か黒色の模様をもつ。肌目は精で、木理はときに
    通直だが、不規則なことが多い。イースト・アフリカン・オリーブでは、木理は浅く交錯する。ロリオンドは、ヨーロッパ
    のオリーブやイースト・アフリカン・オリーブに比べ、材面はずっとあっさりとしており、比重の少し低い。後者の比重は
    平均して、ブナより20%程度高い。

加工性 乾燥は遅く、割れたり、裂けたりすることもある。強度は高い。比重が高く肌目が精なため、耐摩耗性が際立っている。
    製材はかなり難しいが、手加工と機械加工はいずれもよい。仕上り面は非常になめらかで、着色および最終的な仕上げもよい。
    耐朽性もかなりあるとされている。

用途  ヨーロッパのオリーブは南ヨーロッパで、旅行者向けの小さな旋作品や彫刻品とされるが、材面の美しさと優れた耐摩耗性
    のために、床板にも用いられている。
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