オペペ
Nauclea diderrichii
(広葉樹林)
樹木  オペペは、西アフリカの主要な木材生産国であるコートジボアールからザイールにかけての国々から得られる。
    大型になる樹種で、樹高は40mに、直径が1.5mに達する幹をもっている。

木材  オペペはきわめて特徴のある鮮やかな橙黄色で、ときに桃色の条をもっている。肌目は粗で、木理は通直ないし交錯、
    あるいは不規則である。重さはナラと同じ。

加工性 オペペの乾燥は遅く、とくに寸法が大きく、しかも木理が不規則な場合には、表面にしばしば割れが出る。乾燥すれば、
    利用の際は安定している。強い木材だが、小さい寸法で用いるときには、交走木理の現れ方によって強さが影響される。
    重さから考えると、製材および機械加工は良好だが、交錯木理をもつ材の柾目面の仕上げには、注意が必要である。
    菌や海虫に対しては抵抗性があり、白蟻に対してはやや抵抗性がある。

用途  オペペは重くて強く、耐久性のある木材であり、しかも大きな寸法の長い材が得られるので、海岸や河岸の防護、閘門、
    港湾、ドッグの建造などの構造用材として用いられ、また杭用材としても使われている。埠頭や棧橋のデッキ用に優れた
    木材で、さらにはボートのデッキにも使われているが、表面割れが出やすい性質をもっている。ナラの代りに漁船の構造
    部分に、また、多くの国々で鉄道の枕木に用いられている。室外用の指物に適しており、また家屋用の床板としても優れ
    ている。
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