パドウク
カリン

Plerocarpus spp.
(広葉樹林)
樹木  パドウクの名で知られている木材は、西アフリカ(主にカメルーンとナイジェリア)やアンダマン諸島から輸出
    されている。ビルマ産のものは、かつて重要な市場材であった。もくの美しい東インド産パドウクはアンボイナ、
    東アフリカ産のものはムニンガと呼ばれる。中型ないし大型の樹木である。

木材  鮮やかな色調を帯びており、とくにアフリカン・パドウクは、生材時は紫赤色だが、やがて濃い深紫褐色となる。
    アンダマン・パドウクは深紅褐色ないし赤褐色を示し、濃色の条をもつが、あまり鮮やかではない。肌目は粗で、
    木理は交錯する。重いかやや重い。

加工性 乾燥は遅いが良好で、乾燥すると、非常に安定していることで有名である。強い木材で、アンダマン・パドウクは
    強度的性質ではナラより優れている。重いが、製材はとくに難しくはなく、機械加工により美しい仕上り面が得られる。
    耐朽性が非常に高いことでも知られている。

用途  美しい材面と優れた加工性を併せもつ。アンダマン・パドウクはかつて高級指物材としてよく知られ、商店、銀行
    のカウンターや造作に用いられていた。造船用材としても優れ、かつてアレックス・ローズ卿が独力で世界一周した
    時のボート、ライブリー・レディ号もパドウクでつくられていた。今日では、アフリカン・パドウクがアンダマン
    産よりはるかに入手しやすく、指物、器具柄、アンコール水準器に用いられており、また耐摩耗性の高い安定した
    床板となる。
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