パンガ・パンガ
ウェンジェ

Millettia spp.
(広葉樹林)
樹木  Millettia属の樹種は熱帯の多くの国々に産するが、市場材として関心がもたているのは、モザンビーク産のパンガ・
    パンガM.stuhlmaniiと、ザイール、カメルーン、ガボンなどに産するウェンジェMlaurentiiにすぎない。この2樹種
    とも大きさは中庸程度で、樹高は18mも達し、直径50〜60cmの丸太がとれる。

木材  2樹種とも同じような性質をもっている。褐色ないしほぼ黒色で、淡色の組織による細い条が多数あって、特徴的
    である。肌目は粗で、いくらか不均一だが、木理は一般に通直である。ともに比重の高い木材で、ナラと比較して、
    パンガ・パンガは約10%、ウェンジェは約20%、それぞれ重い。

加工性 ともに乾燥は遅いが、ほとんど欠点は生じない。乾燥すれば、利用の際は安定している。強い木材で、とくに衝撃に
    対して強いことでよく知られている。ヒッコリーよりも強いといわれる。高比重で、肌目が粗のため、仕上り面を
    よくするには、つねに刃の研磨に注意することが必要である。旋作は良好である。スライスド単板にされるが、
    ロータリー単板にはあまりされない。耐朽性は高いとされる。

用途  非常に装飾的な木材で、とくにヨーロッパにおいては、キャビネットおよび高級指物用として好まれ、また単板の形
    では、装飾的なパネルに用いられている。安定した美しい床板になるが、肌目が粗なので、苛酷に使用される場所より
    も、ふつうの歩行用の床板に適する。ウェンジェは小さい旋作物に用いられている。
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