パルダオ
Dracontomelon spp.
(広葉樹林)
樹木  パルダオ(またはダオ)はニューギニア・ウォルナットに非常に近く、フィリピンおよびパプア・ニューギニアに
    産する装飾的価値の高い木材である。樹高は30mないしそれ以上で、大きな板根の上に円筒形の幹をもつ大木である。

木材  パルダオはウォルナットに似ているが、植物学的には本物のウォルナットではない。灰色ないし褐色の色調にかなり
    規則的な濃い縞をもつので、ヨーロッパ産ウォルナットよりもクィーンズランド・ウォルナットに非常によく似ている。
    しかしこの縞は心材部のみで、丸太の中でしばしば高い比率を占める辺材部は、淡色で無地である。木理は一般に交錯
    するが、ときには波状木理をもつ丸太であり、とくに装飾的な優れた効果を生み出す。肌目はウォルナットにきわめて
    近いが、比重は約10%高い。

加工性 商品価値のない辺材部の量が多く、ほとんど製材の形では用いられないために、技術的な資料が乏しい。この木材を
    乾燥で狂いが出やすいが、機械加工は良好だといわれる。単板製造にはロータリーカットでもスライスでもよく、
    
仕上り面は美しい。

用途  パルダオは50年以上もの間、商品として開発されてきた。ニューギニア・ウォルナットが市場に導入されたのもごく
    最近のことである。いずれもウォルナット様の木材のなかでは、最も魅力的なものの部類に入る。とはいえ、本物の
    ウォルナットがもつ卓越した装飾性には欠ける。主にスライスド単板の形で見られ、家具やキャビネットの化粧板、
    壁板として用いられている。
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