パウ・マルフィム
Balfourodendron riedelianum
(広葉樹林)
樹木  パウ・マルフィムはモロチという名でも知られ、ブラジル南部、パラグアイ、アルゼンチン北部に分布する。
    大きさは中庸で、樹高は25m、幹の直径はときには80cmにもなるが、ふつうはそれよりも細い。木材市場に導入され
    たのは近年のことで、アメリカやヨーロッパに製材および角材として出荷されている。

木材  これといって特別なもくはもたないが、その淡黄色の色調、精で均一な肌目、さらには板目面に見られる年輪によって
    独特な材面を形づくる。木理は一般に通直で、ときには波状を呈する。重硬な木材で、ヒッコリーとほぼ同じ重さである。

加工性 パウ・マルフィムは、その強度的性質、とくに強靱であること、衝撃荷重にも抵抗性があることで注目を惹いてきている。
    これらの性質に関しては、木里が通直なパウ・マルフィムは、ヒッコリーには劣るが、トネリコよりも優れている。
    乾燥には支障はないとされ、製材と加工はともに容易で、美しくなめらかに仕上る。耐久性は不明だが、おそらく戸外
    での使用には不向きであろう。

用途  強靱なうえになめらかに仕上るので、通直な木理のパウ・マルフィムを選んで打器の柄に用いる。南アメリカでは建物
    や家具、旋作物に用いられている。その精な肌目と黄色の色調は、ボックスウッドに代わるものとして、たとえば製図
    器具や定規への利用が考えられる。また比重や肌目がハード・メープルに似ているので、耐摩耗性の高い床材にもなる
    はずである。
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