ペンシル・シーダー
エンピツビャクダン

Juniperus spp.
(針葉樹林)
樹木  鉛筆に用いられた最初のシーダー正しくはジュニパー(ビャクシン)は、アメリカの東半分に産するバージニアン・
    ペンシル・シーダーであったが、次第に供給量が減ってきたため、東アフリカの山地に生育する別のペンシル・
    シーダーが使われるようになった。東アフリカ産のものは樹高が30mに達するが、幹に軸方向の凹凸があり、裂け目
    も多い。それに比べアメリカ産はかなり小さく、樹高はふつう12〜15m程度である。

木材  肌目は精で、色調は赤褐色を帯びる。脂っぽくはないが、シーダーに似た匂いをもつ。比重は針葉樹材としては中庸
    で、アフリカ産はアメリカ産よりもわずかに重い。

加工性 乾燥は遅く、狂いや割れを防ぐのに注意が必要である。乾燥すれば、利用の際は安定している。強さではアフリカ産
    がアメリカ産よりも幾分優れるが、両者ともとくに強いというわけではない。しかし、その耐朽性の高さ、優れた
    加工的性質(切削が容易かつ良好で、非常になめらかな仕上り面が得られる)には、定評がある。

用途  非常に削りやすいという性質をもつので、鉛筆用材として伝統的に使われているが、今日では、良質のものは限られ
    た量しか入手できない。低質の木材は耐久性の必要な用途に使われ、アメリカでは柵の柱によく使用されている。
    その他の用途としては指物や家具がある。家具では、防虫の働きがあるということで、箪笥の内張り、リンネル類や
    毛布を入れる箱んどに用いられる。
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