ポドカルプス
マキ〔槇〕

Podocarpus spp.
(針葉樹林)
樹木  Podocarpus属の樹木は南半球と、中米、東アフリカ、アジアなど北半球の温暖な地方に生育している。これらの木材を
    一括する総称はなく、産地によってそれぞれの名がついている。チリではマニオ、東アフリカではポド、中米諸国では
    イエローウッドやサイプレス、南アフリカではイエローウッドと呼ばれている。ニュージーランドでは樹種によって
    ミロ、マタイ、トタラ、カヒカテアなどと区別して呼んでいる。樹高は30mに達し、ときにはさらに高いものもある。

木材  Podocarpusの木材は一般に淡色で、黄色ないし黄褐色だが、ニュージーランド産のいくつかは、もっと濃くて赤褐色に
    近い。年輪はないか、あってもきわめて不明瞭なので、やや無地の木材といえる。肌目は精かつ均一である。重さは
    さまざまで、ホワイトウッド(スプルース)とほぼ同じものから、ヨーロピアン・レッドウッド(オウシュウ・アカマツ)
    より約20%重いものまである。

加工性 割れる傾向をもつものもあるが、一般に乾燥は良好である。強度はかなりあるが、脆い傾向がある。加工は容易かつ良好
    で、仕上がり面も非常になめらかである。耐久性には差があり、ポドとカヒカテアは腐りやすいが、トタラは耐久性が
    非常に高い。

用途  Podocarpusの木材は主に生産地において、枠材、羽目板、床板など建築用の用途に利用されている。トタラは海中に
    対する抵抗性が高いことで有名で、ドック、埠頭、造船などに用いられており、また化学薬品槽にも使われている。
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