パープルハート
Peltogyne spp.
(広葉樹林)
樹木  パープルハートはアメランスとも呼ばれ、南米北部、とくにギアナやブラジルに産する。約20の樹種から生産され、
    その多くは大型の樹木で、樹高は30〜40mに達し、直径1mないしそれ以上の丸太がとれる。

木材  伐採直後はくすんだ褐色を示すが、大気にさらされると急速に明るい紫色に変り、最も特徴的で鮮やかな色調の市場材
    となる。この紫色は長期間たつと褪色し、木材は豊かな褐赤色を帯びる。肌目は樹種によて違い、精からやや粗まで
    ある。木理はときに通直あるいは交錯し、また波状になることもある。重い木材で、樹種により比重は異なるが、
    グリーンハートほど重くはない。

加工性 パープルハートの乾燥は良好で、欠点はほとんど生じないが、寸法あ厚いと乾燥はやや遅くなる。乾燥すると、利用の
    際は安定している。非常に強い木材で、比重が高いため製材は容易ではない。機械加工の仕上り面はよいが、刃物を
    かなり早く鈍らせる。耐久性はきわめて高い。

用途  パープルハートは鮮やかな色調をもっているが、その装飾的効果が生かされることはきわめて稀で、主として、撞球の
    キューの柄とか象嵌用の単板など、旋作による小細工物に用いられる。より有効的な用途としては、ドック、橋、埠頭
    など強さと耐久性を必要とする重構造物がある。化学薬品を入れる槽、フィルタープレスの骨組、耐摩耗性の高い床板
    などにも使われる。
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