ラミン
Gonystylus spp.
(広葉樹林)
樹木  ラミンは1950年頃に初めて輸入された重要な木材の一つである。サラワク産のもので、幹は小さくて直径60cmを
    こえることは稀であるが、海岸沿いの広大な沼沢林地域に豊富に生育している樹木から採取された。初めは丸太の
    形で船積みされたが、輸送中にひどく変色して、ほとんど商品とはならなかった。その後サラワクで製材、乾燥され
    てから輸出されるようになるまで、商品としての地位を固めるには至らなかった。現在ではインドネシア、サラワク、
    西マレーシアなどから得られるが、大量に伐採され、また需要が非常に多いので、将来の供給は危うくなってきている。

木材  ラミンはほぼ白色で、肌目はやや精、均一で、木理は一般に通直である。生材時には不快な臭気があるが、乾燥すると
    消える。比重は中庸である。

加工性 乾燥は容易だが、とくに厚板の場合、割れたり、変色したりする傾向がある。ブナに比べると少し軽く、靱性はそれ
    ほどなく、はるかに割裂しやすいが、その他の強度的性質はよく似ている。加工は容易で、仕上りも良好。戸外での
    利用には不適。

用途  この木材の魅力は、材面にほとんど特徴的なもくをもたないことにあった。淡色なので、着色しやすく、他のより装飾
    的な木材に合わせて仕上げることができた。また木理が通直なので、機械加工されることが一般的であった。とくに
    家具工業ではブナ代替品として用いられた。現在では、モールディング、たぼ、柄、玩具、さらには清潔な外観と平滑
    な表面が要求されるものに用いられている。
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