レッド・オーク
Quercus spp.
(広葉樹林)
樹木  温帯北部の木材で、北米各地とイランで重要な木材だが、ホワイト・オークほど広範囲な市場材としての重要性を
    もってはいない。ヨーロッパでは、ときに植栽されていることもある。たとえばトルコのレッド・オークは、木材
    としての利用度は低いが、造林木としてではなく庭園木として広く植栽されている。レッド・オークの多くは大木
    になり、樹高は35mに達する。幹の直径は一般に1m程度で、老木になると1.8mに及ぶものもある。

木材  ホワイト・オークに比べ、はっきりとした桃色を帯びている。生長は早いことが多く、肌目は精で、よく生長したもの
    の木理は通直である。ホワイト・オーク同様、柾目面にはシルバーグレインがあるが、放射組織が狭いことが多いため、
    通常はそれほど明瞭ではない。比重が高く、アメリカ産のホワイト・オークよりやや重く、ヨーロッパ産のナラより
    10〜15%ほど重い。

加工性 ホワイト・オークより重いが、薬液の浸透性では優り、耐久性では一般に劣る。比重が高いので、製材および機械加工
    は難しい。また乾燥の際、問題が起きやすい。

用途  ホワイト・オークほどの際立った耐久性を欠くため、よく保存処理をしないと、屋外用の指物、建築、構造物には向か
    ない。室内では、パネル、床板、家具などに用いられるが、概してホワイト・オークより劣るとされる。ペルシャン・
    オークは薬液の浸透が悪いので樽に利用される。
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