サル
バラウ

Shorea spp.
(広葉樹林)
樹木  多くのShoreaの樹種からメランチ類の木材がとれるが、メランチ以外の、さらに重硬な木材がとれるものもある。
    これらは色調がさまざまで、市場では、比重の高い赤色の木材と褐色系の木材を別に取り扱うことがある。褐色の
    木材は、あまり輸出されることはないが、インドからフィリピン群島にわたるその広い分布の全域で非常に重要な
    木材となっている。産地国により異なった名称をもち、インドではサル、タイではチャン、マレーシアの各地で
    バラウおよびセランガンバツ、フィリピンではヤカールと呼ばれる。
 
木材  重硬なShoreaの木材は主に黄褐色から濃褐色を示し、肌目は精で、木理は浅く交錯する。比重は一様ではないが、
    一般にナラより20〜40%重い。

加工性 サルおよびバラウは乾燥は遅く、しかも表面割れを生じやすいので、寸法が大きいとうまく乾燥できない。しかし、
    この木材が使われる多くの場合に、このことは問題とはならない。強度、ことに靱性の高いことで知られるが、
    重硬なため製材および機械加工は難しい。熱帯の酷しい環境下でも耐久性は高い。

用途  重硬なShoreaは、産地国では最も重要な構造材とされる。インドでは、サルがあらゆる種類の建物や鉄道の枕木など
    に広範に用いられ、マレーシアのバラウも同様の用途や電柱、坑木、造船などに使われている。ヨーロッパその他の
    地域では、寸法の大きなものがドック、港湾、埠頭、杭などの重構造用に用いられる。
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