サザン・ヘミスフェア・ビーチ
ノソファグス

Nothofagus spp.
(広葉樹林)
樹木  サザン・ヘミスフェア・ビーチは植物学的に、北半球に産する本物のブナと密接な関係がある。この属には12以上の
    樹種があるが、市場材として重要なものには、チリのラウリ、ニュージーランド・ソルバービーチあるいはサウスラ
    ンド・ビーチ、タスマニアン・マートルなどがある。中型ないし大型の樹木で、樹高は30〜40に達し直径が1mを越え
    る幹をもつこともある。

木材  桃褐色ないし赤褐色を示し、本物ののブナとは、大きな放射組織による特徴的なもくをもたないことで異なる。
    肌目は精、均一で、木理は一般に通直。重さは、やや軽いものからやや重いものまであり、一様ではない。
    ラウリとシルバービーチはマホガニーとほぼ同じ重さで、タスマニアン・マートルは本物のブナと同じ重さである。

加工性 軽い木材の乾燥は早くて良好だが、タスマニアン・マートルは割れや落込みを防ぐために注意が必要である。
    強さは比重によって異なり、タスマニアン・マートルブナより強く、ラウリトシルバービーチはかなり弱い。
    製材はかなり容易。シルバー・ビーチとタスマニアン・マートルは耐朽性が低いが、ラウリは耐久性が高いことで
    有名である。

用途  この属の木材は、とくに強さが必要とされない場合には、ブナの代わりとして多くの用途に用いられる。家具用材
    として魅力的であり、また、指物、モールディング旋作にも用いられる。オーストラリアやニュージーランド産のもの
    は、畜産品の箱や梱包材として使われている。
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