セイロン・サテンウッド
Chloroxylon swietenia
(広葉樹林)
樹木  セイロン(またはイースト・インディアン)・サテンウッドは、本来のサテンウッド(西インド諸島原産)とは異なる
    が、植物学的には近縁で、市場では100年以上も前から「本サテンウッド」とみなされてきた。今日ではさらに一般的
    な市場材になり、スリランカに産するが、インド中南部にも生育する。中型の樹木で、やや形の悪いものが多いが、直径
    30-50mの丸太が得られる。

木材  淡黄色ないし金黄色の、特徴のある美しい木材で、肌目は精、均一である。木理はさまざまに変化し、交錯、ときには
    波状を描くこともあり、非常に装飾的な縞または斑のもくを生じるが、ガム・ベインがあるために材面の美しさが損なわ
    れやすい。

加工性 セイロン・サテンウッドは強度、耐久性ともに高い。しかしこの木材は価値はその装飾的な材面にある。注意すれば
    乾燥は満足な結果が得られるが、表面割れや狂いが生じやすい。手および機械加工はともに難しいが、非常に美しく
    仕上げることは可能である。良質のスライスド単板が切削できる。

用途  ウェスト・ インディアン・サテンウッド特有の澄んだ黄色を示さないが、はるかに美しいもくをもつセイロン・サテン
    ウッドは、キャビネット用の木材である。19世紀には家具製作用として人気があった。今日では主に柾目突きの
    スライスド単板の形で見られ、キャビネット製品の象嵌に使用されている。しかし製材のほうも、小物の旋作品、ヘヤー
    ブラシの背や柄、さらに各種のリコーダーに用いられている。
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