スネークウッド
Piratinera guianensis
(広葉樹林)
樹木  スネークウッドあるはレターウッドは熱帯アメリカ産材で、主にギアナからつねにごくわずか輸出されているだけである。
    現在では主に、今までの市場材のなかで最も重いものの一つである(重さではリグナム・バイタをもしのぐ)という、
    歴史的興味がもたれるにすぎない。木材は、樹高25m、直径がときに80cmに達する幹をもつ中型の樹木から得られて
    いた。もくをもつ心材だけが商品価値をもっていたので、広い淡色の辺材を取り除いてから、長さ1〜2m、直径7〜18cm
    の小さい丸太として輸出されていた。

木材  きわめて特徴のある木材である。色調は深いマホガニーレッドで、不規則な形の濃色の斑点をもち、それがある種の蛇の
    模様とか象形文字に似ているので、スネークウッドあるいはレターウッドという名で呼ばれる。木理は一般に通直で、
    肌目は精かつ均一である。非常に重く、ナラより約80%重い。

加工性 この木材の加工性についての資料はきわめて少ない。スネークウッドは強いが脆い木材で、加工の際に材がそげる傾向が
    ある。木理に沿って簡単に裂ける。切削は難しいが仕上り面はなめらかであり、自然の光沢を帯びる。耐久性が非常に高い。

用途  かつてはステッキ用材として需要があり、もくの著しいものは非常に高価であった。また、傘の柄、ソーン単板として
    象嵌などの装飾的な細工用に用いられた。ヴォイールのような古典的な弦楽器の弓としても用いられたが、ヴァイオリンの
    弓としてはブラジルウッドに劣る。
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