ツガ
ヘムロック〔栂〕

Tsuga spp.
(針葉樹林)
樹木  ヘムロックは東アジアにも産するが、市場材の産地は北アメリカだけである。ウェスタン・ヘムロック(ベイツガ)は
    アラスカ南部からオレゴンにかけて産し、とくにブリティッシュ・コロンビアでは重要な木材である。大型の樹木で、
    樹高50〜60mに達する。これい対してイースタン・ヘムロックは、あまり良質の木材ではなく、市場材としての重要性
    もはるかに低い。これはやや小型の樹木で、アメリカ東部およびカナダの隣接地域に達する。

木材  ウェスタン・ヘムロックは白色の木材だが、褐色を帯びたり、ときに灰色の条をもつので、スプルースほど白くはない。
    脂っぽくはなく、年輪は明らかで、木理は通直である。主さは針葉樹材としては中庸である。イースタン・ヘムロック
    も同様な木材だが、肌目はより粗で、重さはやや軽い。

加工性 乾燥はやや遅いが、乾燥すれば、利用の際はかなり安定している。ダグラス・ファーほど強くないが、スプルースよりは
    やや強い。ウェスタン・ヘムロックはイースタン・ヘムロックよりも概して強い。加工は容易で、仕上がり面も良好。
    いずれのヘムロックも耐朽性は低い。

用途  ウェスタン・ヘムロックは重要な市場材で世界各地に輸出されている。ダグラス・ファーに代替材として、構造用材、
    とくに家屋建築の根太、垂木、間柱などに、次第に利用されるようになってきた。箱、梱包、パンフレット、梯子の踏板、
    合板、パルプなどにも用いられる。イースタン・ヘムロックは一般いは産地だけで、主に製材やパルプに用いられる。
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