テュペロ
Nyssa aquatica
(広葉樹林)
樹木  テュペロはアメリカ産で、合衆国の南部および東部に生育する2樹種からとられる。取引きの際これら2樹種は、
    テュペロガムN.syvaticaに区別されることがある。いずれも樹高は高く、30mに達し、直径1mに及ぶ通直な幹を
    もつ。テュペロガムは、沼沢林に生育するので板根をもっている。

木材  テュペロは黄色から淡褐色を示し、ときに濃色の部分をもつが、一般にあまりもくはもっていない。肌目は精、均一
    であり、木理は不規則で、交錯することが多い。やや軽い木材で、とくにテュペロガムは、ブラックガムに比べ、
    より軽軟で、肌目もより粗い傾向がある。板根部から採取した木材はきわめて軽い。

加工性 乾燥は容易だが、狂いの出る傾向が著しい。強い木材ではないが、ブラックガムは割裂に対する抵抗が大きいことで
    知られている。軽くて軟らかい割に加工はやや難しく、木理が不規則なため、仕上げ面をよくするには注意が必要で
    ある。釘打ちは良好。腐朽しやすい条件下では耐久性がない。

用途  テュペロは製材としてさまざまな用途に広く用いられているが、単板や合板の形でも使われるため、しばしばロータリー
    切削される。家具、室内用の指物、モールディング、梱包などに用いられ、丈夫な床板にもなる。とくに割裂に対する
    抵抗が高いので、アメリカでは保存処理をしてから鉄道の枕木に用いている。合板の芯板用の単板としても使われる。
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