ユティル
Entandrophragma utile
(広葉樹林)
樹木  ユティル(またはシポ)はアフリカ産の木材中傑出したものの一つで、シエラレネオからウガンダ、アンゴラにかけ
    て分布するが、市場へは主にコートジボアールとガーナから供給されている。非常な大木になり、樹高は60mかそれ
    以上にも達し、直径2mまたはそれを越えるような丸太や、非常に幅広い板が採取できる。長くてまっすぐな幹をもつ。

木材  材面はサペルに似ているが、肌目は粗で、一般に交錯木理をもつが、縞はもっと幅広くてあまり装飾的ではない。
    色調はマホガニー・レッドである。アフリカン・マホガニーよりはかなり重く、サペルよりもごくわずか重い。

加工性 ユティルは、はっきり目立つ交走木理さえもっていなければ、一般に乾燥はサペルほど難しくはなく、一度乾燥すれば
    利用の際の安定性はずっとよい。製材は容易で、機械加工も良好である。ただし交錯木理をつも木材の例に洩れず、
    柾目面を美しく仕上げるためには注意を要する。耐久性はサペルやマホガニーよりも高い。

用途  ユティルは、高級建具用に需要が多いマホガニー様の木材の一つで、窓枠や敷居、玄関ドアやドア回り、外張り、商店
    や事務所の造作に用いられている。強度と耐久性が高いのでいろいろな乗物、船や貨車の建造などの構造材として優れ
    ている。家具にも用いられるが、サペルほど装飾的ではない。合板用にロータリー切削され、その合板は耐久性に加え
    て強度が高いので、どんな苛酷な使用目的にも適している。
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