ビロラ
Virola spp.
(広葉樹林)
樹木  ビロラは、主にブラジル、スリナム、コロンビアなどから輸出される熱帯アメリカ産材で、ブラジルではウクウバ、
    スリナムではバブエンの名で知られている。多数の樹種があるが、市場材が採取されるのは大木になるもので、直径
    は中庸であることが多いが長くて通直な幹をもっている。

木材  色調は淡桃褐色で、肌目は中庸、木理は一般に通直である。材面にはほとんど特徴のない無地の木材である。
    重さは産地によって異なるが、概して軽く、オベチェ程度のものからマホガニーに近いものまである。

加工性 軽い木材だが、乾燥の際にかなり収縮し、狂いが生じやすく、割れたり裂けたりすることもあるので注意を要する。
    強度は低いが製材は容易で、加工も良好である。切削刃物が鋭利であれば、材面の仕上りもなめらかである。
    ロータリー切削により良質の単板が得られる。腐朽しやすい条件下では耐朽性が非常に低い。腐朽が早いので、伐採
    した丸太は、品質の低下を防ぐため、早急に森林から運び出さなければならない。

用途  ビロラは、熱帯アメリカ、とくにブラジルから輸出される代表的な木材の一つで、主にアメリカへ送られている。
    軽くて、広い用途に向く木材で、モールディング、引出しの側板など家具の非構造部分、室内指物、ドアの縁や芯
    などに多く用いられている。ビロラは室内の用途にしか適さないが、優れた品質の合板をつくることができる。
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