ウォルナット
クルミ
Juglans spp.
(広葉樹林)
樹木  ウォルナットという名は、もくをもつ褐色の木材に数多くつけられているが、Juglansの属の木材だけが本物の
    
ウォルナットである。北半球の暖かい地方に産し、さらにその分布は中米を経て、南米のアンデス山地に及ぶ。
    2種の木材がとくに重要で、ヨーロピアン・ウォルナットJ.regiaは古くからヨーロッパ各地に植えられているが、
    原産地は南西アジアの山岳地帯であり、アメリカン・ブラック・ウォルナットJ.nigraはアメリカとカナダに産する。
    樹高20〜30mの中型の樹木で、木材とともにクルミを産することでも重要である。

木材  ヨーロピアン・ウォルナットは灰褐色で、黒に近い条をもち、概してアメリカのブラック・ウォルナットよりも色に
    変化がある。後者は均一は濃い紫褐色を示す。木理は通直で、ときに波状を示し、肌目は中庸である。重さは、
    ブナよりもやや軽い。

加工性 乾燥は遅いが、乾燥すれば、利用の際は安定している。加工は容易で、仕上りがきわめてよいことで知られている。
    耐朽性はやや高い。

用途  ウォルナットは世界的に有名な装飾用材の一つで、とくにアン王朝時代の家具など、長い間高級家具に利用されてきた。
    今日では、ウォルナットは主に単板として家具や装飾的なパネルに用いられている。製材としては、美術指物とか、
    ボウルその他の旋作品に使われている。ライフル銃などの銃床や床尾にもよく用いられる。
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