ウエスト・インディアン・サテンウッド
Fagara flava
(広葉樹林)
樹木  市場で取扱われているサテンウッドの原型であるウェスト・インディアン・サテンウッドは、フロリダ南部と西インド
    諸島産の木材である。アフリカ産を主とする他のFagaraの樹種は市場でも注目されているが、これらの黄色の木材は、
    
ウェスト・インディアン・サテンウッドがもつ著しい装飾的な材面に欠ける。樹高10-20mの小型の樹木で、ときには
    直径50cmという丸太も得られるが、通常はそれよりずっと小径である。

木材  色調はクリーム色ないし金黄色、肌目は精で均一である。木理が通直な場合でも、その鮮やかなサテンのような光沢に
    より、独特の美しい材面をもつ。またときには波状木理が斑のもくをつくり出し、その材面を一層引き立てる。
    重い木材であるが、セイロン・サテンウッドほど比重は高くない。

加工性 特殊な用途に当てられているので、技術的な資料の入手は限られている。サテンウッドの乾燥は良好で、道具を用いる
    には硬いが、機械加工ではすばらしい仕上げ面が得られる。旋作も良好である。加工の際、ココナツに似た特有の香り
    を放つがその細粉は皮膚障害を起こさせると伝えられている。

用途  サテンウッドは、18世紀にアダム、シェラトン、およびヘプルホワイトなどが製作した美しいキャビネットに広く用い
    られた非常に美しい木材である。今日では少量しか見られず、単板として象嵌や寄木細工に用いられ、製材はボビンの
    ような小旋作物に、ときにはヘヤーブラシの背、手鏡に用いられている。
back