ウエスタン・レッド・シーダー
ベイスギ

Thuja plicata
(針葉樹林)
樹木  ブリティッシュ・コロンビアやアメリカ北西部地方に産する樹木で、樹高は50mないしそれ以上に達し、直径は
    1〜1.25mに及ぶ。似た木材だが市場材としての重要性が低いものに、イースタンあるいはノーザン・ホワイト・
    シーダーがある。カナダうやアメリカ東部に広く分布する樹種で、樹形はより小さい。(Thujaすなわちネズコ属の
    樹種だが、日本ではベイスギとよばれている。)

木材  ウェスタン・レッド・シーダーは淡桃褐色ないし濃褐色である。脂っぽくないが、かすかに刺戟性のある匂いをもつ。
    木理は通直で、年輪も明らかである。一般に広く用いられている柔軟な針葉樹材のなかでも最も軽い。ヨーロピアン・
    レッドウッド(オウシュウ・アカマツ)に比べ、ウェスタン・レッド・シーダーは約25%、ホワイト・シーダーは
    35%ほど軽い。

加工性 乾燥は早くて、薄い板の場合は良好だが、板が厚いと落込みが出やすいので、取扱いが困難である。乾燥すれば、利用の
    際は安定している。柔軟なだけに強度は低いが、加工は容易で、切削刃物が鋭ければ仕上がりもよい。耐久性は高い。
 
用途  ウェスタン・レッド・シーダーは、大量に得られる針葉樹材のなかで最も耐久性の高い木材の一つだが、軽軟であるため、
    構造的な用途には不向きである。一般に多く見られるのは羽目板とか外張りとしてであるが、庭園の建物や温室にもよく
    使われている。とくにアメリカでは、屋根板に用いられ、また低質材は杭や支柱に使われている。
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