ホワイト・メランチ
Shorea spp.
(広葉樹林)
樹木  ホワイト・メランチはメランチ類のなかで最も色の薄いメランチだが、最も軽いというわけではない。これを生産
    する樹種は20種以上に及び、分布はビルマから東南アジアを経てフィリピンまで拡がり、ことにマレーシアとインド
    ネシアに多い。ホワイト・メランチのとれる樹種は大木となり、しばしば通直で円筒形の幹をもつ。一般に、他の
    グループではメランチとセラヤは同一視してよいが、ホワイト・メランチの場合は、植物学上も利用上もホワイト・
    セラヤとは著しく異なっている。

木材  他のメランチ同様、色調に違いがあるが、生材のときには多くの木材はほとんど白色に近く、大気に長時間さらすと
    黄色ないし淡褐色となる。肌目はやや粗で、木理は浅く交錯するので柾目面には広い縞模様が見られる。比重には幅
    があるが、ほぼ中庸で、平均してナラより約10%は軽い。他のメランチと違い、木材中にシリカを含んでいる。

加工性 乾燥は容易で欠点もほとんど生じないが、木材中にシリカを含むために機械加工が難しく、製材の形で用いられること
    はめったにない。しかし、シリカを含む他の中程度の重さの木材と同じように、良質のロータリー単板を切削すること
    ができる。

用途  ホワイト・メランチのほとんどすべてが、合板製造のために使われる。今日では、マレーシアでつくられる白色の合板
    の表板として、メルサワとともに重要な木材である。合板としては、構造用および一般的用途に用いられる。
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