ヤマグワ
Morus bombycis
☆国産材/クワ科 (広葉樹林)
分布・産地 北海道から本州、四国、九州、沖縄にかけて分布し、伊豆諸島にもある(ハチジョウグワ:var.hatijouensis)。
      養蚕のためにつかわれているものの中には、ヤマグワの系統のものが多いといわれる。このほかに養蚕用として中国
      原産のトウグワ(M.alba var. tokuwa)が明治初期に日本に導入された。ヤマグワの蓄積は非常に少ないので、用途
      が限られている。

木材    心材と辺材の色の違いは、非常にはっきりしている。前者は鮮やかな黄褐色で、長期間大気に曝されていると褐色が
      濃くなる。後者は淡黄白色。環孔材のため、年輪は明らかである。肌目は粗。木理はっ不規則になっていることが多く、
      そのことによって、材面に杢が出る。杢によってヤマグワの木材は古くから和家具の材料として好まれてきた。気乾
      比重は0.52〜0.62(平均値)〜0.75。やや重硬な木材といえる。切削加工はやや難しいが、仕上がり面は美しい。
      高い保存性をもっている。

用途    色々な美しい杢をもつので(にょりん杢、玉杢、牡丹杢など)、その特徴的な色と組み合わせて化粧的な用途に使われ
      る。主として和家具(鏡台によく使われている)、指物、彫刻、楽器、旋作物などに使われる。
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