イエロー・メランチ
Shorea spp.
(広葉樹林)
樹木  メランチ類には大別して、赤色のものと、それ以外の淡色系のものとがある。後者はさらに植物学上および利用上の
    違いにより、イエロー・メランチとホワイトメランチとに分類される。イエロー・メランチの木材はマレーシア、
    インドネシア、サバでよく見られ、サバではイエロー・セラヤと呼ばれている。イエロー・メランチの木材がとれる
    20以上の樹種は、すべて中型ないし大型の樹木で、一般にいくつかのレッド・メランチほどは大きくない。

木材  色調は淡黄色から黄褐色まで、さまざまである。肌目はやや粗で、レッド・メランチよりは幾分精である。
    また、浅い交錯木理をもつため、柾目面に幅の広い縞模様が認められる。著しく装飾的な木材というわけではなく、
    多数のピンポールのために材面が汚れている場合もある。比重の一様ではないが、一般にナラより約10%軽い。

加工性 乾燥は遅いが、ほとんど欠点を生じない。乾燥すれば、利用の際はかなり安定している。強度的性質は比重により
    異なるが、通常、ライトレッド・メランチよりやや優れている。製材しやすく、加工も良好で、良質のロータリー
    単板が切削できる。耐朽性はあるが、白蟻には弱い。

用途  一般的な用材として利用価値は高いが、多数のピンホールが出ることが多いため、材面のよさが必要とされる用途には
    用いられない。室内用の指物、トロッコや荷車の枠組、家屋の床板などに使用されている。合板用材としても広く
    使われている。
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